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#37 Argonian

.08 2007 OBLIVION日記 comment(0) trackback(0)
どちらにしろ全ての街を見て回るつもりでいたので、戦士ギルドで言われたことはついでにもなります。というわけで、次の目的地はシェイディナルという街となりました。ここカロールからは遥か東にあり、丁度帝都を挟んで反対側といった位置になるようです。と、その前にダー=マ殿に勧められたように、道具屋に寄りましょう。買い物の用事は無いのですが、気になることがありまして、いい機会なのでアルゴニアンについて色々聞いてみたいのです。ちゃっかりしてるなとか声がした気がしますが、聞き流します。いいじゃないですか別に。道具屋「ノーザン・グッズ・アンド・トレーズ(Northan Goods & Trades)」は街の南門から西側、つまり一泊した宿屋グレイ・メアの反対側にありました。

道具屋「Northern Goods & Trades」店内「あ、いらっしゃい!」

入るなりあの美しい方の天使の声が響きます。何ですか。もうツッコミには答えませんよ。モジモジドキドキが許される年齢でもございません。ここに来たのは別に生理的な好みからではなくてですね、

「あらあら」

と、先客らしいご夫人が意味ありげに彼女と私を代わる代わるに見たりしますが、やめてください。おばさ、いえ、ご夫人というのはどうしてこういう噂話がお好きなんでしょうか。宿屋のエムフリード(Emfrid)さんも言ってましたよ、噂されて困っていると。まあそんなことはとても口に出して云えませんが、どちらにしろチラチラこちらを見ながらいそいそとお帰りになられました。さてと。

シード=ニゥス(Seed-Neeus):道具屋主人で商業スキルトレーナー。そしてダー=マ嬢の母親。「いらっしゃいませ。何をお探し?」

ダー=マ嬢の母上である店の店主は、ご夫人の言葉には意見せず、微笑みながらそう仰います。いえその、まあ当然ながら商店には買い物に来るのが普通なわけで、仕方が無いので店の錬金術材料を買い込み、その場で精製することにしました。

「あら、錬金術師の方ですか」
「い、いえそういう訳では。旅人としての嗜みと申しますか」

私が精製したポーションを店主は喜んで買い上げてくださいました。きちんと吟味すれば、これだけで少々の稼ぎになります。そういえば、いつの間にかダー=マ嬢の姿が見えません。少し残念かもしれません。ええそうですよ、残念と思っています。ただ、私はこれから少し嘘をつきます。そういう意味では良かったのかもしれません。

「そういえば、戦士ギルドの方とお伺いしています」
「宛ても無く彷徨うよりは良いかと考えまして。まだ見習いです」
「この辺りでは同族は本当に珍しくて。
 何年ぶりになるかしら。いつでも歓迎しますよ」

それはそれで本音ではあるのでしょうが、声色にいささか警戒も感じ取れるのは気の所為でしょうか。まあ大事なお嬢さんに妙な噂を立てられるのは親として看過できないでしょうし、ダー=マ嬢の言葉にもあったとおり、アルゴニアンが珍しいのであればなおのこと、どのような素性の者か警戒する事もあるのかもしれません。

「実は、その」

ジェンシン殿、お許しください。私は孤児で、帝都で親切なノード(Nord)の商人に育てられたという偽りの経歴と、それ故に同族について殆ど知らないことを話しました。ママン扱いかというツッコミが聞こえてきそうです。本当に申し訳ありません。

帝都のアリーナで鍛えているふたり。しばらく見ていると格闘スキルが+5されます。「あら、帝都育ちなら、田舎暮らしの私よりは
 同族と遭遇する機会もあったのではなくて?」

仰るとおりです。帝都では、身なりがよく親切そうな紳士であったり、港で水夫をしている方や、明らかにうさんくさい風体の・・・恐らくは盗賊であったり、武闘場(Arena)の戦士であったりする方を見かけました。

「近しい間柄には同族はいなかったのです」
「アルゴニアンの何をお知りになりたいの?」

実は悩みがあります、と私は兜を脱ぎました。それだけでは伝わらなかったのでしょう。店主は私の言葉の続きを待ってくれています。

「頭の角やヒレには色々個人差があると思うのですが、
 急に角の数が増えたりすることはありますか?」
「成長の過程で生え変わったりはありますよ」

それで、私の歳でいきなり数が増えたりなどということは?

「それはまた遅い生え変わりね」
「兜を着けっぱなしだった所為でしょうか、妙に痒みを感じまして。
 気がついたときには細かい角が増えていたのです」

まさか病気でしょうか?今のところもう痒みもありませんし、特に体調がすぐれないということもないのですが。個人差で済ませて安心させて欲しかったのですが、店主は一瞬息を飲みました。あきらかに驚いている様子です。

「・・・今は何の自覚症状も?」
「ええ、いたって普通に過ごせるつもりです」
「アルゴニアンは病気になりません。でも・・・まさか・・・」

店主はうつむいて続けます。何だか深刻なことになってきました。自分が何だかよく分からない身体的な危機にあるのかと思うと、腰が落ち着きません。食欲はありますし、角が増えたこと以外では何も無いのです。

「角が問題なのではなくて、《痒み》が問題なのです。
 晴れた日に出歩くのが辛くなったり、気がついたら湖や泉に身を浸してしまう。
 そうしなければ全身が痒い気がする。《渇き》と呼ばれる症状です」

店主は重い声で話してくれました。アルゴニアンはアルゴニアという湿地でなる土地の生まれであり、元々は簡単な腰巻き程度の衣服を身につけ、湿地の中で常に生活していたのだそうです。そして帝国軍の侵略や、のちのダンマー(ダークエルフ)との戦争の敗北などがあり、奴隷として他の地方に拡散していったという歴史があるとのこと。その中で生活様式を他の種族に合わせざるを得なくなってしまった。奴隷制度は帝国内では撤廃されたが、アルゴニアは荒れ果て、そのまま帝国で暮らすことを選択せざるを得ない者も多く居たそうです。荒れ果てた故郷に戻ろうにも、それなりの蓄えが必要だったのでしょう。

左:帝都のこの人は覚えておくといいかも/右:カロール魔法ギルドの支部長さん。その後の歴史で、今ではアルゴニアンでも帝国内で財を成す者や、ギルド、ことに魔法ギルドで一定の地位を得た者もおり、政治的に重要な地位にある者もいる。スィロディールで生まれ、帝国式の生活をしている世代も存在しているとのこと。そういえばダー=マ嬢はこの街で生まれ育ったと仰っていましたね。ただ、本能として湿気を求めるように身体ができているアルゴニアンの中には、帝国式の生活に適応できずに、常に水に浸かるような生活に戻る者もいるのだそうです。《渇き》とは本来の故郷の湿原ブラックマーシュを求める本能あるいは精神的な衝動であり、病気ではない、と最後に彼女は結びます。

アルゴニアンの歴史と種族設定
とある洞窟で、衣服も身に着けずに原始的な生活を営むアルゴニアンたち。侵入者は同族であろうと容赦しません。上記の文章中、アルゴニアンが侵略を受けてきた歴史については、多少の想像を含みますが、基本的にはElder Scrollsシリーズの世界設定に基づきます。ここでは言及していませんが、いつでも一方的に被害者だった訳ではなく、アルゴニアンの方もある程度の地位のあるダークエルフを拉致殺害するなど抵抗し、余計に戦争の火種を大きくしてきた事実もあるようです。タムリエル世界の歴史については、ゲーム中でも書物から知ることができます。日本語版でどれだけのものが読めるようになるか楽しみなところです。また、このコラム中の画像ですが、衣服を身に着けずに暮らすアルゴニアンはゲーム中、とある洞窟で見ることができます。彼らは自分たちの棲家に侵入してきたプレイヤーを、たとえ同族であっても敵とみなします。トカゲプレイヤーにはちょっとショックでした。《渇き》は彼らを見て類推した創作です。

なお、公式設定では、アルゴニアンが「故郷に呼ばれていると感じる」のは、「呼んでいる何者か」がいるという理由があるそうです。それについては戦士ギルドのクエストを終盤までこなした頃に言及しようと思っております。

「特に水に浸かりたいと思うことは今のところありません」
「普通に街で暮らしていればほとんどそういう問題は出ないわ。
 ただ、仕事上どうしても洞窟に潜ったりなどが多くなると
 《渇き》に襲われてしまう人が出る。あの娘の父親も・・・」
「申し訳ありません。嫌な話を持ち込んでしまったようです」

ゲッコ族はどうでしょう。暖かい土地の薄暗い洞窟で生きる我々にとっては、砂漠や雪原で暮らすのは酷です。本来は陽光をあまり好みません。ですが、主サルーインが英雄ミルザに封印されてのち、少しずつ人間と交流していく中で、ワロン島内においては外に出る者もいました。私はそれに留まらずに太陽の下で海賊になった訳ですが、それでもサンゴ海からは出たことがありません。これがいきなりバルハラントで雪の中狩りをして暮らせと云われても恐らくは無理です。他の種族に合わせる苦しみ、本能や生理の違いは、簡単に埋める事ができません。本来土の上で眠る我々は、人間の寝具にはなかなか慣れないものがあります。理解を求めて「生理的に虫が好きです」と云ったところで、人間の方も一緒に虫を食べるのはイヤでしょう。ああ・・・そういえばこの世界に来てからはナマ肉とナマ野草ばかりで、ずっと虫を口にしていませんね。

「アルゴニアンの歴史など、とても勉強になりました。ありがとうございます」
「ギルドの方なら色々な任務があるはず。気をつけて。
 でも、もうひとつ。様々な環境で暮らすようになって頭の角やヒレに以前と異なる
 バリエーションが出てきたという話もあるわ。あまり悲観しないで」

そして忘れてはいけません。興味はあれど、私自身はアルゴニアンではないのです。少なくとも心は。角の件は何というか、あまり深刻に捉えると寝つきが悪そうです。環境への不適合というより適合としてとらえる方が精神的健康に良さそうではありますが、どちらにしても私には困ったことです。深く考えないようにしましょう。

「すっかり申し送れました。ゲラ=ハと申します」
「シード=ニゥス(Seed-Neeus)よ。またいらしてください」
「ええ、喜んで」

さて、そろそろ退散しますか。というところでシード=ニゥス殿は話を続けます。余談ですが、少なくともゲッコ族においては姓と名というわけではないので、どのようなときも名前を省略することはありません。間を空けるか、続けるように読むかは場合により異なりますが、ゲッコ族においては微妙に間を空けるほうが多いです。誰ですか、勝手に「ゲラちゃん」だの「ハ」だの省略するのは。

「娘は発音に驚いていたでしょう?」
「ええ」
「名前についてもそう。今はアルゴニア式の名前を名乗らない人も多くて、
 発音を逆に毛嫌いする方もいるようだから気をつけて」
「ああ、それは知りませんでした」

本当に色々勉強になりました。来てよかったです。もう一度頭を下げ、私は再び旅を続けるために出発することにしました。もう一度ダー=マ嬢といやその、そういうわけにもいきません。陽が落ちる前に出発しなければ。

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★Notice★

「The Elder Scrolls IV : OBLIVION」のプレイ日記の体裁を取っていますが、「ロマンシングサガ ミンストレルソング」のキャラクターRPであり、両作の二次創作要素を含有した1人称小説でもあります。

これはCyrodiilで作者が体験した物語であり、あなたのプレイしたOBLIVIONとは異なる可能性の方が高いです。では、良い旅を。

◇サムネイル画像はマウスオーバーでポップアップします。ポップアップした画像からカーソルを離すと消えます。所により、大きめの画像でも更に拡大することがあります。

◇使用MODは日記本文中で紹介していますが、クエストMODでは別記事にしていることもあります。

◇ネタバレ、妄想/脚色含有にご注意。キャラクターには、故意に間違った情報の解釈をさせていることもあります。

Profile

ゲラ=ハ

Citizen:ゲラ=ハ
私の名はゲラ=ハ。作者になり代わり中止をお詫び申し上げます。ところで、角なのですが、Paradiseへ向かう頃には全部抜け落ちるというネタがあったようです。まぁそれが本来の私なのですが、いささか頭が寂しくなる話です。SKYRIM?ゲッコ族は生理的に寒いのは困ります。

Author:金明孟宗
普段は二次小説だか何だかの人です。
棲息地:【孟宗劇場】
ご意見ご感想などは【こちら】

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