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#33 蜥蜴の英雄(3)

.14 2007 OBLIVION日記 comment(0) trackback(0)
綺麗な朝焼けを見たはずが、気がつけば雨になっていました。

廃墟と化したクヴァッチを包む雨

まるでクヴァッチを蝕む炎と煙が雲を呼んだかのように。

我々にはまだ先の戦いが残っていました。ここで引き続き助力を求めるサヴリアン殿の申し出を断れるほど私は精神的にタフではありません。サヴリアン殿はともかく、他の兵士たちには驚異に対する抗えない怯えと疲労がうかがえ、そして彼方からはまだあの忌まわしきモンスターの声がします。正門から礼拝堂までは解放しました。ですがもはや廃墟と化した街の中には数多のモンスターが残っているのです。我々は引き続き前進を開始しました。

戦いのたびに犠牲者は出ます。礼拝堂の反対側の扉から街の中に入った我々は、四方をモンスターに囲まれることになりました。何とか城門まで到達しましたが足を止められます。門は閉ざされており、それ以上奥へ進めなかったのです。おまけにドレモラたちが城の頂上から矢を撃ちかけてきます。

城門の鍵を求めて走る私「まずい・・・」

城門はゲートハウスで開くことができますが、ゲートハウスへ行くには、北のガード詰所を通る必要があり、そこは常時施錠されているといいます。鍵は礼拝堂に残した部下の一人が持っているとのことです。

「危険だが・・・君にしか頼めない」

判りました。詰所を抜けてゲートハウスから門を開けるのですね。
私は礼拝堂まで戻り、彼の部下の一人ベリッチ=イニアンを探さなければなりません。

帝国兵も駆けつけたようです礼拝堂に入ると、国内を巡回している帝国兵が駆けつけていました。パトロール中にクヴァッチから立ち上る煙を見て来たようです。それはそうと、あなたがベリッチ=イニアン殿ですか?

私は事情を説明しましたが、彼は鍵を差し出しませんでした。一人で行かせる訳にはいかないと、同行を申し出てきたのです。選択の余地はありません。帝国兵3名とベリッチ殿と私は、教会の地下を抜けてゲートハウスを目指すことにしました。

暗転地下を通っている僅かな時間、我々は目的に向かって確実に進んでいました。しかし、地下から一歩外に出た瞬間に、事態は急転します。まるで我々を待ち伏せしていたかのように、あまりにも近い距離に、あまりにも多数のモンスターが姿を見せたのです。

「後退を!正面から受けきれる量ではありません!」
「駄目だ!この道しかゲートハウスへの道は無い!」

瞬く間に、我々はまるでモンスターの巣にでも飛び込んだかのように、数多のモンスターに至近距離で囲まれることになりました。乱戦状態になり、全方向から同時にモンスターの攻撃を受ける状態で、これでは嬲り殺しにされます。美味とは云えないポーションを口に含み、私は身を屈めてモンスターの間を抜け、側面から攻撃を試みました。離れたところから魔法で攻撃してくる敵もいて、数頭倒した位では事態は全く好転しません。

気がつけば私は一人でした海賊として色々な戦いを経験してきましたが、これほど戦いの時間を長く感じたことはありません。またこれほど絶望を感じたこともありませんでした。(※正直1回死にました)

気がつくと、私は一人でした。いみじくも彼自身がそう語ったように、私は力尽きたベリッチ殿の懐から鍵を取ります。武器防具の状態はかなり危ないのですが、周辺にはモンスターが残っているようで、呑気に修理をするわけにもいきません。得物を握る手に力が入らないほどの疲労は、この世界での初めての感覚です。

今まで殆ど使わなかった技能も搾り出さなければ生き残れません運の悪いことに、かなり見晴らしのいい広場でした。十分に回復しないうちに、スニークを見破られてしまいます。このとき現れたのがフロスト・アトロナック(Frost Atronach:モンスター名)でなかったら、咄嗟に今まで殆ど使わなかった(というより使える覚えのない)破壊魔法を撃たなかったら、私はこの地で生涯を終えるところだったかもしれません。

力を尽くし、自らの引き出せる全てを行使するというのがどういうことなのか。戦いの中でも死闘と呼ばれるものの姿を私は異郷の地で思い知ることになりました。その時頭にあったのは、ただ生き残ることのみ。如何にして危機を切り抜けるか、それだけが思考を支配していました。

城門を開けるハンドル何とか生を拾った私は、鍵を使い城門を開ける場所に辿り着きます。雨の中、この円形のハンドルを握ると、レイディラックが嵐に遭ったあの日のことが脳裏に浮かびます。いえ、今は思いを馳せている場合ではありませんでした。城門を開け、サヴリアン殿と生き残った兵士たちと共に場内を目指さねばなりません。

クヴァッチの伯爵ようやく辿り着いた城内は街中にも増してひどい有様でした。何箇所かは崩れ落ちて先に進めなくなっており、しかもまだ中にモンスターが残っています。我々は手分けして奥へと進みました。しかし、待っていたのはこのクヴァッチの伯爵らしき男の遺体だけでした。家族の姿は見えません。逃げおおせたとは考えにくい状況ですが・・・。伯爵の側には、まるで皮肉のように「焔中舞踏」という表題の本が落ちていました。

「戻りましょう」

と云うと、私に随伴していた兵士が言います。伯爵の身の証を、と。貴方が見ていなければそうしたかもしれませんが、この状況で伯爵の遺体から遺品を取れというのですか?

「理解してくれ。野盗の手に渡すわけにはいかない品だ。
 後々の憂いにならないように、そういう品は所在を明らかに
 しておく必要がある」

そういう事はよく判りませんが、貴方がやっていただけませんか?と云おうとしたのですが、兵士は顔を伏せて、現実から目を逸らすようにしています。態度は違いますが、皇帝を失ったボーラス殿のことを思い出しました。仕方なく私は伯爵の指輪を取り、場内入口で後方を守るサヴリアン殿のもとへ戻ります。

サヴリアン4我々は遅すぎたのか、と問われて、私は何も云えません。町の人で救い出せた人もいます。多くの住民は犠牲になり、伯爵も、兵士も犠牲になりました。しかし今はこの地にもうモンスターは居ません。

「その通りだ。新たな執政官が叙任されるまで、
 この指輪は預かっていよう」

それは結構なんですが何故脱ぎ出すんです?

「・・・君はこの町のために命をかけてくれた。
 だが本来はねぎらいの言葉と謝礼をすべき執政官が居ない。
 私に出来ることはこれくらいだ」

彼は自分の着ていた鎧を私に差し出します。

「君の御蔭でこの街は救われた。まさしくクヴァッチの英雄だ。
 せめてもの気持ち、受け取ってくれ」

受け取らなければまるで悪人のようなノリですが・・・英雄ではありません。私はただ生き残ることができた、それだけです。頭の隅で、ミルザという人物もこういう感じで賞賛されて困っていたのか、などと考えながら、私はサヴリアン殿の鎧を受け取ります。エンチャントはされているようですが、これを着て英雄でございとのし歩く気にはとてもなりません。

「格好はつけたが・・・疲れたのだ。戦士としての無力を感じる。
 これからは警備を後進に譲り、街の再建に尽力しようと思う」

状況を見るに引退は難しいように思います。

主君を失った兵士の心情を私では察することが出来ません。いえ、もし目の前でキャプテンを失うことがあったら、私も自らの無力に嘆き、動けなくなるかもしれません。しかしそれでも、この騎士的な心情は私とはどこか違う気がするのです。

疲れました。しかしこのまま此処に居ると英雄呼ばわりでもっと気疲れしそうな気がします。丁度用事もあることですし、私はサヴリアン殿と兵士たちに別れを告げ、避難民たちの居る場所も敢えて避けるルートで、カロールに向かうことにします。

ボロボロになった鉄の兜は、この世界に来た当初より使い続けてきたものですが流石に限界が来ました。しかし兜を脱いだのは頭が痒かったからです。実はアンヴィルに向かっている頃くらいから、時々妙に頭が痒かったりしたのです(不潔にしているわけではありませんよ)。

顔つきが険しくそして廃墟と化したクヴァッチ城の堀に移った姿を見て、私は愕然としました。

・・・角が増えていたのです。ゲッコ族には無いはずのものが。


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★Notice★

「The Elder Scrolls IV : OBLIVION」のプレイ日記の体裁を取っていますが、「ロマンシングサガ ミンストレルソング」のキャラクターRPであり、両作の二次創作要素を含有した1人称小説でもあります。

これはCyrodiilで作者が体験した物語であり、あなたのプレイしたOBLIVIONとは異なる可能性の方が高いです。では、良い旅を。

◇サムネイル画像はマウスオーバーでポップアップします。ポップアップした画像からカーソルを離すと消えます。所により、大きめの画像でも更に拡大することがあります。

◇使用MODは日記本文中で紹介していますが、クエストMODでは別記事にしていることもあります。

◇ネタバレ、妄想/脚色含有にご注意。キャラクターには、故意に間違った情報の解釈をさせていることもあります。

Profile

ゲラ=ハ

Citizen:ゲラ=ハ
私の名はゲラ=ハ。作者になり代わり中止をお詫び申し上げます。ところで、角なのですが、Paradiseへ向かう頃には全部抜け落ちるというネタがあったようです。まぁそれが本来の私なのですが、いささか頭が寂しくなる話です。SKYRIM?ゲッコ族は生理的に寒いのは困ります。

Author:金明孟宗
普段は二次小説だか何だかの人です。
棲息地:【孟宗劇場】
ご意見ご感想などは【こちら】

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