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#21 Days of Wine & Flaxes(5)

.02 2007 OBLIVION日記 comment(0) trackback(0)
スキングラッド空撮。標準外の行為なのでスペック不足のアラが見えます。翌日。懸念される事はありましたが、我々はまた出掛ける事にしました。昨日は街のすぐ側の鉱山に潜って、予定の成果を挙げられなかったのです。今日は、戦士ギルドでも話題に出ていた「ゴブリン・ジムの洞窟(Goblin Jim's cave)」と呼ばれる場所へ向かうことにしました。思ったよりも連携の取れた動きをするゴブリンたちのリーダーがその「ゴブリン・ジム」であればそもそもの目的も達成できると踏んだのです。

森での戦い。スプリガンと召還されたクマさんとのバトル。洞窟はスキングラッドから北に離れた場所にあり、道程では戦いが避けられません。この間まで野原では狼や猪程度の敵にしか遭わなかったのですが、この地域には今まで出会わなかった強敵が徘徊しています(※実際は地域別というよりもプレイヤーのレベルで出現敵の種類と強さが変化します)。

巨体でありながらゴブリンに勝る素早さで動き回るトロル。動きは大人しいがステータス攻撃とクマの召還で苦しめてくる樹木のモンスター、スプリガン。初見ではいずれも脅威でしたが、こちらもパーティを組んで2日目。役割分担と連携がきっちりできていると戦いに幅ができます。

昨日の鉱山は「人間が切り拓いた場所にモンスターが住み着いた」状態でしたが、今度の洞窟は元よりゴブリンの棲家です。明らかに彼らモンスターの生活感があり、先日いみじくもリーガン殿が語ったように、ワインの瓶までが転がっています。

「…あれは?」

ゴブリン・ジムの棲家最初こそ、ゴブリンの生活ぶりも大したものだと考えていたのですが、奥に行くに従って疑念がわいていました。それを決定付けるものが洞窟の最奥部で目に飛び込んできたのです。洞窟内でわざわざ藁葺きの屋根をしつらえる必要は無く、穴倉で暮らすゴブリンには絶対に縁が無いはずのもの。驚きが慎重さを失わせました。物音を立ててしまったらしく、これまで以上の数のゴブリンが一斉に襲い掛かってきます。

「…」

ゴブリン・ジムの最期2人がどうだったのかは分かりません。少なくとも私は、戦いの決着がついてスターライトの呪文で薄暗い風景を見定めるまで、ゴブリンの中に人間が混じっていたことに気が付きませんでした。戦いの間、我々以外の人の声はしていません。「痛い」「よくも」「死ね」…人であれば、このような場で訓練された暗殺者でも無い限りは必ず、人である痕跡を残します。少なくとも声で。

そしてゴブリン・ジムは、戦いの場が高台にあったため、転落して最期を迎えました。その際にもゴブリンと同じような奇声しか出さなかったのです。戦士ギルドがこの件を解決しなかったのは、ただゴブリンが強敵だったというだけでなく、何かカラクリがあったのかもしれません。

「洞窟で盗賊に襲われるなんてよくあることよ」
「ただ、碌な衣服も身に付けずにゴブリンたちのボスとして
 こんな所に暮らす、というのが少し」
「…理解できないな」

我々は多分、3人とも本当の感想を言葉にしていませんでした。
ファラーヌ殿の言葉を借りれば、荒野や洞窟で賊に襲われるのは珍しいことではありません。狩人同士が互いを見定める領域、これは私の言葉です。ですので、こういった場所で人を手にかけたところで、この世界では改めて感想を抱くことは何もありません。

帰り道、我々はあまり言葉を交わしませんでした。
恐らく、グラルシール殿のことが脳裏に過ぎったのは私だけでは無かったのです。

街に戻り、時間があるので夕食を摂ることにしました。ファラーヌ殿は健啖で、私も身体も精神も疲れたときには特にたっぷり食えというキャプテンの言葉を守っていましたが、リーガン殿は余り食が進まないようでした。そしてやがて重い口を開いて、私の予想が正しかったことが明らかになりました。

「例の件だが、何とか上で問題にならないように明日努力してみる」
「…もうよしなよ」
「明日から勤務に戻るよ。これ以上ゲラ=ハにも迷惑はかけられない」

いえ、私は別に。

「放っておけない」
「なら、彼の友人なり家族なりになって、
 同じように町の人間に後ろ指を指されながら暮らすのね」
「…極論だ」
「どうかしら」

人を貶めたり殺したりは簡単だ、とファラーヌ殿はカップのワインを継ぎ足しながら云います。反対に人を愛したり救ったりする方が余程難しいと。

「陳腐な正義感や義憤のもとに、
 耳に聞こえのいい美談を演じるのは簡単だけど」
「ファラーヌ殿、先程から言葉が過ぎます」
「そろそろ時間ね。さあ、どうするの?」

トーティアス殿が監視者でないと私が告げるのが一番早いでしょう。何となくいたちごっこの予感はしますが。私はその旨を告げながら誰より早く立ち上がりました。そうしないと余計な諍いになるような気がしたからです。

「此処の問題なのに…済まない。
 昨日と同じようにいつでも飛び出せるようにするよ」
「但し、条件があります」
「?」
「此処の御代は奢って下さい」

言葉では嫌味を言いつつ、今夜もファラーヌ殿は着いてきているようです。私は背中から2人の視線を受けつつ、妙な習慣になってしまった真夜中の教会裏へと向かうことにしました。

今度こそ、という期待に輝く目で、グラルシール殿はやってきました。口を開かない限りは、彼が病んでいることは分かりません。一体何が彼をそうさせたのでしょうか。薄暗く悪臭に満ちた洞窟の底で最期を迎えたゴブリン・ジムでさえ、もしかすれば彼よりは幸福だったのかもしれません。そして結果は昨日と全く同じ会話の繰り返し。今度は葡萄畑の見学にも嫌な顔をせずに応じてくれたダビデ・シュリライ氏の名前を挙げ、グラルシール殿は去っていきました。

「状況は何も変わらないな」
「…そうですね」

トーティアス卿と同じ位、ダビデ・シュリライ氏は影響力のある人物だと告げてファラーヌ殿は一足先に帰って行きました。確かに、気さくな方ではありましたが、有名なワイナリーの総責任者であり、経済的にも影響力はあるはずです。彼に危険が及ぶとなれば十分に断罪の理由になります。まるで敢えて破滅へ進むように、グラルシール殿の名指す人物はエスカレートしているようです。

「世話になったな」
「リーガン殿、」
「楽しんで貰いたかったんだが、こう深刻な問題を抱えていてはね。
 明日から僕は仕事に戻るよ。」
「いえ、楽しかったです」
「何だか助けてもらってばかりだった。申し訳ないよ」
「…どうされるのですか?」
「昼間はディオン隊長が見張っている。僕は夜、彼を見張るよ。
 …そうしていくしか無いだろうね」

私は知りませんでした。衛兵は、大きく分けて街の警備を行う班と、城の警備を行う班に分かれています。そして、リーガン殿は城の班の所属だったのです。つまり、そんな状況で事を成すこと自体が困難でした。

今思えば、ゴブリン退治は我々にとってただの現実逃避、刹那の遊戯のようなものだったのかもしれません。ギルドがゴブリンを話題にするのも腕試し程度の意味しか無かったのだとも想像できます。そして皮肉な結果が導かれ、リーガン殿は我に帰ったのかもしれません。多分、私だけが夢の中にいたのです。

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★Notice★

「The Elder Scrolls IV : OBLIVION」のプレイ日記の体裁を取っていますが、「ロマンシングサガ ミンストレルソング」のキャラクターRPであり、両作の二次創作要素を含有した1人称小説でもあります。

これはCyrodiilで作者が体験した物語であり、あなたのプレイしたOBLIVIONとは異なる可能性の方が高いです。では、良い旅を。

◇サムネイル画像はマウスオーバーでポップアップします。ポップアップした画像からカーソルを離すと消えます。所により、大きめの画像でも更に拡大することがあります。

◇使用MODは日記本文中で紹介していますが、クエストMODでは別記事にしていることもあります。

◇ネタバレ、妄想/脚色含有にご注意。キャラクターには、故意に間違った情報の解釈をさせていることもあります。

Profile

ゲラ=ハ

Citizen:ゲラ=ハ
私の名はゲラ=ハ。作者になり代わり中止をお詫び申し上げます。ところで、角なのですが、Paradiseへ向かう頃には全部抜け落ちるというネタがあったようです。まぁそれが本来の私なのですが、いささか頭が寂しくなる話です。SKYRIM?ゲッコ族は生理的に寒いのは困ります。

Author:金明孟宗
普段は二次小説だか何だかの人です。
棲息地:【孟宗劇場】
ご意見ご感想などは【こちら】

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